地域づくり表彰

令和2(2020)年度地域づくり表彰について

国土交通大臣賞

小さな拠点部門

那須まちづくり株式会社
(栃木県那須郡那須町)

活動の概要
 元々、継続可能な元気の出るまちづくりを目指した取組をしており、さらに取組を発展させたいと考えていたところ、廃校となった小学校の利用募集があったため、平成30年に「那須まちづくり株式会社」を設立し、学校を活用した活動に取り組み始めた。
 廃校となった小学校を「那須まちづくり広場」として再生し、地元野菜や加工品の販売、コミュニティカフェの運営、地元の牛乳を使ったミルクバーの製造、アート教室「楽校」の開催などを行っている。
 また、屋上に太陽光発電設備を設置し、環境共生・防災にも取り組んでいる。
 10以上の事業会社、団体と連携しているほか、50名以上で組織されているボランティアグループも活動に協力している。
 毎月20以上のセミナー・イベントを開催し、地域おこしに貢献しており、総合学習の時間などでの小中学校との連携も進んでいる。
 今後は介護関連の機能についても整備予定である。
選定理由
 生涯活躍のまちづくり、持続可能な地域づくりを目指して、廃校となった小学校を「那須まちづくり広場」として再生し、多様な主体と協働して様々な生活サービスをコンパクトにまとめ、地域の交流の場とするだけでなく、新しい活動やグループを生み出す場へと成長させるなど、地域の活性化に特に顕著な功績があり、総合的に高い評価を受けた。

地域づくり部門

RENEW実行委員会
(福井県鯖江市)

活動の概要
 鯖江市は眼鏡産業、繊維産業、漆器産業などのものづくりが盛んである。しかし、近年は出荷額が落ち込んでいた。そこで、①消費者に産地を訪れてもらい、工房見学等を通じて産地ブランディングを行うこと、②産地の職人が消費者に触れるきっかけを作り、顧客ニーズを汲み取るとともに、ものづくりの誇りを取り戻すことの2つを目標とし、平成27年より工房開放イベント「RENEW」を開催している。
 「RENEW」では、福井県丹南エリアの地場産業に携わる企業・工房を3日間にわたり一斉開放し、工房見学やワークショップを行っている。令和元年には合同就職説明会「産地の合説」も開催し、移住希望者へのアプローチも図っている。
 平成27年の開催当初は出展22社、来場者1,200人だったが、平成30年には出展110社、来場者3万8千人、売り上げ2,100万円と、国内最大規模の工房イベントへと成長してきている。「RENEW」開始からの5年間に産地内に10店舗のファクトリーショップが新設されたほか、RENEWをきっかけに産地内に6名が就職するなどの成果も現れている。
選定理由
 地場産業の工房を開放するイベント「RENEW」を毎年開催し、工房見学やワークショップを通じて、商品や地域の魅力を地域外に伝えることで地域外から産地へ若者が移住・就職し後継者確保に繋がったほか、地域内に新たに店舗や工房が開設するなど、地域の活性化に特に顕著な功績があり、総合的に高い評価を受けた。

全国地域づくり推進協議会会長賞

小さな拠点部門

一般社団法人高根コミュニティラボわぁら
(新潟県村上市)

活動の概要
 高根集落では、空き家の増加や地域を支える担い手の不足など、様々な課題が生じている。そこで、高根に暮らす人たち・関わる人たちがイキイキと笑顔で楽しく過ごしていくことを目指し、平成28年より40代以下の若い世代が活動を始めた。
 集落の中心にある空き家をリフォームし、高齢者の居場所づくりと介護予防事業を開始したほか、空き家を活用した宿泊施設「ゲストハウス瑞泉閣」、中長期滞在向けの「シェアハウスべったく」を整備し、高根の暮らしを体験できる場を提供している。また、同ゲストハウスを拠点とし、子どもたちの勉強の場づくりを行っている。その他、クリスマスに集落点検と婚活の場を兼ねて、集落内全戸を訪問するなどの取組を実施している。
 活動を通して、住民が世代の枠を超えて活躍の機会を得たことで、生きがいや社会参加につながっている。
選定理由
 集落の中心にある空き家を改修し、高齢者の居場所となる介護予防事業の場や宿泊施設として活用することを通じて、集落内外の多世代が交流する拠点を生み出し、関係人口を創出するなど、地域の活性化に顕著な功績があり、高い評価を受けた。

地域づくり部門

アカリノワ
(静岡県静岡市)

活動の概要
 静岡市葵区は、日本有数の自然環境を有している地域だが、山々に点在する放置竹林が課題となっていた。「アカリノワ」は、放置竹林を地域資源として活用することで、経済・社会・環境の三側面の課題を解決することを目指し、平成25年より取り組みを開始した。
 ①森林環境・生物多様性の保全のための竹林の伐採、②地域における賑わい創出のための竹灯籠の作成・イベントでの展示、③二酸化炭素の固定化と田畑の土壌改良のための竹灯籠の竹炭化・竹チップ化の、3つの取組を中心に行っている。
 年々活動が広がり、地元の学校や周辺自治体、民間企業などとも連携しながらイベントを実施している。当初はイベント集客数が100名程度であったが、令和元年度は12,000人もの集客のあるイベントを実施するまでに至った。
選定理由
 放置竹林を伐採して、竹灯籠を作成し地域イベントなどで展示することで地域に賑わいを創出したほか、展示後には竹炭にし田畑の肥料として活用するなど、竹林を地域資源として活用することを通じて、経済・社会・環境の三側面の課題解決に取り組むなど、地域の活性化に顕著な功績があり、高い評価を受けた。

国土計画協会会長賞

地域づくり部門

特定非営利活動法人土佐の森・救援隊/木の駅ひだか
(高知県日高村)

活動の概要
 高知県は日本一の森林率84%を誇るが、近年は林業の衰退により山の荒廃が進んでいる。森林に適切な整備を推進し、環境の保全や向上を行うことを目的とする「土佐の森救援隊」の下部組織として、平成24年に「木の駅ひだか」が発足した。
 ①企業や行政が介入しづらい小規模林家を対象にした森林整備と薪の生産販売、②地域通貨「モリ券」の導入による地域の経済循環の創出、③中山間地域に住む高齢者への薪の配達による生活支援、④児童への環境学習講座の開催の、「木」を軸とした4つの事業を展開している。
 会員数は、平成24年発足時の15名から35名に増加し、現在までにボランティア延べ300人とともに活動している。近年のキャンプブームや近隣市町村のキャンプサイト新設などもあり、県内外から薪の購入客が訪れ、森林整備および薪販売の実績額は年間約1,500万円にもなる。「モリ券」利用店舗数は当初2店舗から30店舗まで拡大し、毎月約30~40万円の経済循環を創出している。
選定理由
 林業の再興を目指し、小規模林家を対象にした森林整備と薪の生産販売、地域通貨「モリ券」の導入、高齢者への薪の配達による生活支援など、木を軸にした様々な事業を展開し、環境の保全に貢献したほか、地域内の経済循環を創出するなど、地域の活性化に顕著な功績があり、国土の利用・整備・保全等の観点から高い評価を受けた。

日本政策投資銀行賞

地域づくり部門

みせるばやお
(大阪府八尾市)

活動の概要
 八尾市は中小製造事業者約3000社が集積する「ものづくりのまち」だが、近年は廃業する企業も多く、まちの危機に瀕していた。平成30年に、地域の中小企業を中心に、大企業、大学、金融機関等からなる共同事業体として、「みせるばやお」を設立。
 コラボレーション企画・商品を開発するために、市内企業の技術や商品を活用した子供向けワークショップの開催、会員企業間の交流等を実施。ワークショップはこれまでに664回を超え、子供から大人まで累計5万人が来場した。
 産業集積地という特性を活かし、拠点施設の空間、顧客情報、会員企業の人材などのシェアリングを実施しているほか、ビッグデータの活用も中小企業と連携して実施。企業間や地域住民との交流を新規に生み出すことで、業種を超えたイノベーションを創出する仕組みづくりを目指す。
 設立当初は35社だった会員は現在128社に増加。積極的に視察等に見学者を受け入れることで、東北、東京、近隣の市町村の企業など、会員の約3割が八尾以外の企業である広域の共創コミュニティとなっている。
選定理由
 地域の中小企業や住民との交流を通じて、空間・データ・ヒトの共有を図ることで、業種を超えたイノベーションを推進するとともに、広域の共創コミュニティに発展させるなど、地域の活性化に顕著な功績があり、地域産業の振興等の観点から高い評価を受けた。

地域づくり表彰審査会特別賞

地域づくり部門

大歩危リバーフェスティバル実行委員会
(徳島県三好市)

活動の概要
 吉野川におけるラフティングの観光客数が増加する中で、平成20年に民間主導で委員会を設立。ラフティングの素晴らしさを多くの人々に知って体験してもらい、大歩危の魅力を広めることを目標に掲げている。
 大歩危リバーフェスティバル大会を毎年開催。大会の様子はインターネットで配信し、全世界への地域のPRに努めている。
 大会開催に合わせ、大歩危マルシェ、妖怪パレード、地元中学校によるブラスバンド演奏、アユの放流等、地域活性化につながるイベントを地域住民・事業者と連携して実施している。
 平成29年にはこれまでの円滑な大会運営等が評価され、「ラフティング世界選手権」の誘致に成功。3万人を超える来場者があり、地域の活性化と世界への地域の魅力の発信に貢献した。
選定理由
 国内有数の激流である吉野川の魅力を発信するために、地域の多様な主体と連携し、十年以上にわたり継続してラフティング大会を地域イベントとともに開催し、ラフティング世界選手権を招致するまでに発展させ、地域に大きな経済効果を生み出すなど、地域の活性化に功績があり、高い評価を受けた。

地域づくり部門

四海漁業協同組合
(香川県小豆郡土庄町)

活動の概要
 小豆島周辺では、鱧(ハモ)が15年ほど前からまとまって漁獲されていたが、岡山県に安値で引き取られ岡山産として販売されていた。そこで、小豆島産ハモのブランド化のため、平成27年より活動を始めた。
 島内3漁協で香川県小豆島産として共同出荷するとともに、資源管理や品質等の4つの基準を設けることで、小豆島島鱧としてブランド化して関西市場へ出荷した。
 日本最大の見本市に参加し加工品の販路拡大を図っているほか、ブランディング活動として、島内外イベントへの出展や、京都産業大学との連携による勉強会の開催、SNSでの情報発信およびインスタグラムを使ったレシピコンクールの開催などに取り組んでいる。高品質のハモを関西市場まで安定して出荷できるようになったことで、取り組み当初の平成27年と比較して、平成30年は取扱量が62%、取扱単価が60%向上したほか、漁業所得が取り組み前の平成26年から平成30年までで67%増加した。
選定理由
 小豆島産ハモのブランド化を目指して、高品質を維持する四つの基準を設け、島内で共同して関西市場に出荷したほか、加工業者と連携した商品開発、県外への販路拡大などを通じて、地元特産品としての地位を築きあげ、漁業所得の向上、雇用の創出など、地域の活性化に功績があり、高い評価を受けた。


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